集英社のエントリーシートをどう書くか?

ペン森OBのMN(元出版社勤務)です。

2月2日締め切りの集英社のエントリーシート。

締切も近づいてきて焦りながら書いている学生さんも多いのではないでしょうか?

 

ただ、そこで焦っていきなり書き始めてはいけない。

重要なのはこのESを設定した人の意図を読み取った上で対策を考えることだ。

 

 

【集英社ESの設問】

・どのような仕事をしたいか 第三志望まで

・学生時代力を入れたこと

・出版ビジネスのアイデア

・一対一で人と向き合った経験

人生の三大ニュース

・直面した挫折や困難と、それをどう乗り越えたか

・集英社作品との関わり

・最近、注目しているニュースとそれに対する意見

・あなたのお気に入りの雑誌と、その雑誌のキャッチコピー

・お気に入りの書籍と作者

・お気に入りのコミックス

・その他エンタメ

・作文 「実は私のおかげです」

 

通常の志望理由、自己PR的な内容に加え、好きな作品を幅広いジャンルで聞くなど、その人のコンテンツへの本気度を試そうとする充実した内容になっている。だからこそ付け焼刃ではその薄っぺらさがすぐにばれる良問といってもよいだろう。

 

一見大量で複雑に見える。

だが基本構造を整理すると「読み手」が紙面上で学生の個性を把握する流れはできており、

大きく聞いているのは以下の3つのことなのだ。

 

・キミは何したいの?

・キミはどんな人なの?

・キミはどんな面白い視点を持ってるの?

 

・キミは何したいの?

 という質問で言うといきなり冒頭でやってくる

 

・どのような仕事をしたいか 第三志望まで

 

 読み手的に言うとここでまず「こいつはどんな面白いことを言えるのか?」試している。

多くの人がここで

「私は昔からこんな本が好きで、好きな~~~みたいな作品をつくりたいです」

と書いて玉砕していく。

ただ、好きなだけならばそのままファンでいてくれればいいからだ。

 

重要なのは

 

・どんな仕事(コンテンツ)を、この時代になぜやりたいのか?(それはなぜ世の中の人に受けると思うのか?)

 

を語る姿勢だ。

ただ単に「オラオラおれの漫画、雑誌、宣伝のアイデア面白いだろ!」と書いてもプロの出版人から見ると、アイデア単体では正直素人の学生が太刀打ちできるものではない。99%がつまらないといってもいいだろう。

 

しかし、出版社人を目指すいち生活者の目線で

 

「こんなことをしてみたい、自分が考えるいまの読者はこんなことを求めている、そこに対してこういうやりかたをするとウケると思う」

 

と書けば、それは単なる思い付きのアイデアではなくあなた自身の読者、世の中を切り取る「視点」になる。

視点はたんなる直感的な面白さではなく「君は世の中をこう切り取るのか」という論になる。

その論が新しければプロの出版人でも一考に値するというわけだ。

 

出版人といえどもサラリーマン。

普段の会議ではコンテンツ企画の直感的な面白さだけでなく、

「なぜそれが面白いのか?新しいのか?どんな人に、なぜ受けるのか?」を議論して企画を作っている。

自分はその議論に値することを考えられる人間なのだ、ということを自分のやりたい情熱と共にアピールすることが重要なのだ。

 

決してただの情熱、思い付きのアイデア、私これスキなんだもん!で書いてはいけない。

おそらくこの志望動機がショボければそこでES読み終了…なんて事態も起きるからだ。

 

そして続いてでてくる

・キミはどんな人なの?

これは

 

・学生時代力を入れたこと

・一対一で人と向き合った経験

・人生の三大ニュース

・直面した挫折や困難と、それをどう乗り越えたか

・集英社作品との関わり

 

と多く聞かれている。

これを書く上で気を付けてほしいのが以前ESの書き方でも書いたが

 

1問1答のパッチワークでバラバラに答えてはいけない

 

ということだ。

まず各前に最初に考えてほしいのは

 

読み手に自分という人間を「****な人だ」と思わせたい

 

というテーマだ。

だからと言って設問すべてに同じことを書けと言っているわけではない。

全体を読んだ後、読み手に「この人はこんな人だ」という読後感をどう持たせるのか。

それを考えたうえで書くべきなのだ。

 

たとえば「自分をチャラいんだけど無茶苦茶しぶとい人間だと思わせたい」としよう。

(以下は架空のものです)

 

・学生時代力を入れたこと:

大学4年間かけて初対面の女性に心を開いてもらうために渋谷駅前で

毎日30人に声をかけることを日課にしていた。最初はでょぼ収穫ゼロ。

会話を豊かにするために1日1冊本を読み、勉強し、週1人をお茶できるようになった。

 

・一対一で人と向き合った経験

声をかけた人にマルチ商法の勧誘を受け、そこから抜け出してもらうために半年かけて説得した。

 

・人生の三大ニュース

コロナ禍でもクラブでパーティーをしたい。保健所に日参して対策を練って実行。

 

 

・直面した挫折や困難と、それをどう乗り越えたか

チャラくあろうとする自分は馬鹿なのではないかと嫌悪感を抱く時期があった。

けれどもなぜ自分がこんな自分を目指したのか考え、小学校時代、シャイで仲間に入れてもらえず苦しんだ経験があったことを思い出し「人をつなげる、人とつながる」使命を思い出す。それからナンパだけでなく、コロナ禍の孤独を超えるため、zoomでつながりおススメ漫画をみんなで読むコミュニティを作った。

 

 

・集英社作品との関わり

自分はチャラいんじゃなくて、明るくあろうと戦う強さが欲しいんだ。ルフィから学んだ。

 

上記はあくまで例だが「こういう人間だと思わせたい」というテーマのもとに、

自分の様々な側面を伝えている。

その中に別に人に寄り添うというPRが入ってもいい、リーダーシップというPRが入ってもいい。

ただ重要なのが行動の根源にある「動機・性格」がブレていないというところなのだ。

 

また結構字数を書いてしまったので、残りは次回。

 

・キミはどんな面白い視点を持ってるの?

 

を考えていこう。