3年生がこの夏すべきことは?

 3年生がそろそろ来出した。このところ新聞社や通信社のインターンシップ参加者を選ぶためのエントリーシート(ES)を添削し、アドバイスしている。ESの3大設問は、1)志望動機、2)大学時代に力を入れたこと、3)自分の長所である。他の設問もだいたいこの3問のバリエーションの中に収まることが多い。

 就職選考もまだ助走段階である。そんな時期に魅せられるESの完成度はそう高くない。だが、高校時代の部活動とか、大学でのアルバイトとか、ペンの森でインタビューしてエピソードを引き出してあげると、それを使ってそこそこ仕上げてくる。インターンシップはそれでだいたい通る。インターンシップは直接採用選考にからめないというのが原則だが、企業の側は何も見てないというわけではない。しっかりチェックして、見どころのありそうな人には、さりげなく、「ぜひ選考を受けてください」というような声をかけてくる。早いとインターンシップ経験を経て、年内に内定する3年生もいるというのが実情だ。

だから、1DAYのようなイベントみたいなインターンシップでなく、参加するためのセレクションはあるが、まだ、そのハードルが高くないインターンシップに積極的に応募して顔を売ることも大切である。

 さて、この時期のちょっとゆるいかなというESも、ここから本選考に向けて締めていく必要がある。高校時代の部活経験の一本槍でいくというわけにはいかない。インターンシップもやりながら、何か経験を積むことを勧めている。新宿・歌舞伎町界隈のホームレスへのボランティアでも、入国管理事務所の収容者ボランティアでもよい。子ども食堂の手伝いでもよい。曾祖父から戦争体験を聞くのも有意義だ。

最近も、「夏の間に、家が貧しい子供たちの教育支援の塾に教えにいってきます」という学生がいた。そこで見たこと聞いたこと感じたことを社会問題と絡めてESに書いてゆく。社会問題を自分の実体験から考えるのだ。

 

「最終面接で落ちたら心が折れるでしょうねえ」と、いまから先のことを心配して、心細そうな顔をする3年生もいる。そういう心配はまだ早い。それよりも、学生のいまだからこそできる経験を積むこと。就活テクニックを覚えるよりも、この夏やっておくことがあるはずだ。がんばって!

                                       (岩田一平)