大学生の内定率急落 留年すべきか

 

「大学生の内定率、急落69.8% リーマン以来の下げ幅10月時点」(朝日新聞1118日朝刊)だ。それによると、来週卒業予定の大学生の就職内定率が、厚労省と文科省の発表で、多くの企業の正式内定が出る10月1日時点で69.8%。前年同期から7ポイントの下落で、これはリーマンショック時の7・4ポイント以来の下げ幅という。記事は「今春卒業した大学生の最終的な就活率は、少子高齢化による人手不足などを背景に、過去最高の98.0%だった」と書いている。

来春卒の内定率はこれから上がっていくにしても、コロナ禍下の就職戦線は、厳しいものがありそうだ。それは、広告を含むマスコミ業界にも当てはまるかもしれない(ただし、出版業界は、コロナ禍で思ったほど大打撃を受けなかったように感じる。紙の雑誌の広告減は痛かったが)。

そんな流れを反映してか、マスコミ内定が取れず、「大学を留年して、もう一年マスコミに挑戦するか、卒業して一般企業に就職するか」という相談を複数受けた。だいたい大学の手続きの締め切りは11月末というから差し迫っている。例年時々受ける相談だが、今年は目立つ。留年手続きを早々手続きし、学費と生活費稼ぎにアルバイトを始めた者もいる。

留年して再チャレンジして絶対受かるという保証はできない。しかし、ホントにマスコミで仕事したいなら、チャレンジする価値はある。よく言うが「人生百年時代の若いころの1年はいくらでも取り返せる」。

なぜ、今年はうまくいかなかったのか。「就活を甘く見ていた」「作文など、対策をせずにむやみに受けていた」「本命ばかり見ていて、そこがダメだったらあとがなかった」……相談者に聞くと、反省点があれこれ出てくる。それがわかっていれば、そこを克服するよう、がんばればよい。もう、やるべきことは見えている。ペンの森は、そういう人には支援ができると思う。

ひとりで就活をするのは精神的につらくなることがある。同じ志をもっている者がそばにいて話せるのがよい。お互い刺激しあい高めあう。いろいろと情報収集できるのもよい。「私の学科はマスコミ志望がいなくて。OBOG訪問もできませんでした。ペン森に来て仲間ができ、マスコミの人にも会えてよかった」というペン森卒業生も聞く。

岐路で迷えるのも若者の特権だ。しっかり迷って結論が出たら、あとは進むのみ。(岩田一平)