ペン森の食は安心安全

 和食が12月、世界遺産に登録されるが、阪急阪神ホテルズのレストランで食材を偽装していることが明るみに出た。ペン森はまかないつきなので、食材を毎朝スーパーで仕入れて、リュックに入れてくる。だからいつも新鮮な手作り家庭料理を提供しているつもりだが、長いあいだ冷蔵庫に入れて忘れてしまうこともある。ときには賞味期限切れを使うこともある。ぼくは期限切れにはあまりこだわらないが、若者の目が厳しいから心配はない。

 

 阪急阪神ホテルズの社長は偽装ではなく、罪の軽い誤表示だと最初はがんばっていたが、ついにメニュー表示の偽装を認め引責辞任した。札幌のルネッサンスサッポロホテルも実際の食材とは違うエビの名前をメニューに表示していたことがわかった。うちは大丈夫かとヒヤヒヤしているホテルトップも多かろうと思う。新聞各社社会部のデスクは同じような偽装をさがせ、と無理難題を命じていることだろう。ぞくぞく出てくるかもよ。

 

 ヤマト運輸の冷凍食品の荷物を一部営業所が常温で扱っていることが朝日への内部告発によって表面化したが、ホテルの食材偽装も調理職場の内部告発にたよるほかない。偽の食材を調理職人が間違うわけがないとぼくは思うのだが、職人が気づかなかったとすれば

よほど間抜けな職人だ。トビッコとイクラなんてまるっきり素人のぼくにすら区別がつく。

ステーキに牛脂を注入してそれをステーキと称していたなんて、消費者こそいい面の皮だ。

 

 ぼくは賞味期限にはさほど神経質ではないが、消費期限と中国産は気になる。若者は賞味期限も消費期限も区別なく気にするようだ。まあ、一種の清潔病にかかっているのだろう。神経質な母親の食に対する安全追求が伝染しているのかもしれない。あるいはアルバイトで食品の管理の厳しさを体験しているせいかもしれない。消費期限切れ近いパンを段ボールにつめて足で踏みつける後ろめたい苦痛は作文によくでてくる。

 

 ぼくら世代が食材に鈍感なのは戦時中や敗戦直後の物資難、食糧難で腐りかけて酸っぱくなったものや糸を引いているものまで口にしたことがあるからだ。ぼくは農山村育ちだから、バッタをとってフライパンで焼いてよく食べた。長野を旅してバッタのつくだにをペン森の土産に買ってきたら、ずいぶん不人気でぼくが酒のつまみにしてたいらげた。でも長野県人が食するざざ虫とハチの子は口にする勇気がでない。中国産食品も買わない。

 

 ペン森のまかないは家庭料理だから、その場で調理して焼いたり煮たりすることが多い。

たまに出す焼き肉やすき焼きはたれが期限切れのことがある。頻繁に使用するしょうゆは最近出回っている酸化しない密封ボトルである。いま冷蔵庫をあけてみたら、賞味期限は酸みそが9月18日、からし酸みそが9月21日。マヨネーズが3本入っているが、3本とも器の表面にはなんの表示もないが蓋に表示があった。いずれも見事に期限切れだった。

 

 期限切れはチェックの厳しい若者が使うときに確認して廃棄処分となるが、この点に関する限り若ものの神経質は日本の食の安心安全に寄与しているだろう。今夕はきのうの残りのサンマ三尾を焼く、あとは鎌倉ハムのウインナーに秋ナスのみそ汁。安心安全です。

*11月2,3,4日は連休にさせてもらいます。4日は予定がないので、また東京駅地下街をめぐるかな。

 

瀬下恵介(ペンの森主催)

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コメント: 2
  • #1

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    Inca

  • #2

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    przecedzać